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2008年10月

2008年10月30日 (木)

「日本浄土」

藤原新也さんは、最近過去の自分の予想が当たったことを自慢することが多く、僕の気持ちは少し離れかけていたけど、やはり気になって読んでしまった。
尾道、門司、能登などの地を舞台にした彼の旅とそこでの出会いなどについて書かれていて、彼も少しずつ自分の死を意識している感じがして、以前のとがった彼とは違う面が出ていました。「何も願わないで手を合わせる」あたりから作風が随分変わったなあ・・・。

藤原新也は高校生の時に高校の友人のAくんに勧められて読んだ「乳の海」からだから、もうかれこれ20年が経つわけで、その人を直接知らないにもかかわらずこれだけ人の人格形成に影響を与えることができる作家というものは凄いと言わざるを得ないです。

さて、京大に来てはや7ヶ月・・・。時が経つのは早いもの。大学院3年生のT君の学位論文のことが気になります。きちんと4年で卒業させてあげたい。


2008年10月28日 (火)

なぜ研究者になったのか

本日京大で、establishされた5名の方の上記テーマの講演がありました。僕のお師匠である成宮周先生とiPSで有名な山中伸弥先生のご講演を拝聴しました。
二人の性格が出ていて、成宮先生はまじめに我々をencourageしてくれ、山中先生は笑わせてくれながら、研究者の良さを伝えてくれました。山中先生の話を聞いていれば、自分でもいい仕事ができるかもしれない、という勇気が全ての人に沸いてきます。しかしながら、冷静に、今の自分と重ね合わせながら聞いていると、自分との違いが明確になります。
結局二人とも、常に迷い、悩みながらここまで研究を進められてきた訳ですが、結局決定的な違いは、取り組むテーマです。お二人とも、やはり、自分の世界を築くべく、新しいテーマにチャレンジしています。
そしてそのテーマには発展性があったわけですが、実は、成宮先生も留学が終わるまでは自分のテーマが実り多かった訳ではなかったようです。
自分は基礎の研究者ではないので、ちょっとスタンスは違いますが、皮膚免疫を制御するという方向性は僕は間違っていないと思うのでこれからも邁進したいと思います。
ただ、常に今やっていることが、他の誰でもできることではないか、また大きなprincipleの発見につながるようなテーマであるか、ということは自問自答を続けないといけません。
かつて、本庶先生にも、ただの石ころをいくら磨いてもだめで、ダイヤの原石をみつけてそれをみがけ、といわれましたが、簡単なことではないです。
最後に成宮先生からのお言葉を
Today is the first day of the rest of your life.
1日1日を頑張って行きたいです。

2008年10月26日 (日)

国際痒みシンポジウム

半年間の懸案だったこの学会での発表が終わりました。
痒み関しては僕は臨床の場面では非常に重要だと思っていましたが、自分で研究をはじめたのは最近です。
ということで、この学会には自分のデータがないままで「review talk」のようなものをしなければならない状況になるのは明白でした。
僕はやはり他人の仕事でtalkすることはまったくへたくそだということがはっきりわかりました。以前日本皮膚科学会の教育講演でも似た経験をしていたので間違いないです。

しばらくは、自分のやってきた仕事以外の話をするのはやめようと固く誓いました。

ただ、収穫もあります。この失敗をきっかけに次回の痒みシンポで借りを返したいという思いがましたこと、すなわち痒みの研究を自分の視点で実験する決心がついたことです。
いくつか試してみたいと思っていたことがあるので、あっと驚く結果が出るかも知れません。

順天堂の高森先生は僕は敬愛する先生の一人ですが、高森先生とも約束しましたし。ということで、来年のinternational workshop for the study of itchにも参加します。

2008年10月24日 (金)

中村先生お疲れ様

先週から今週にかけて千葉大の神戸先生とお弟子さんの中村先生が共同研究でこちらに実験に来られました。
中村先生は実験室でゴザを敷いてその上で何日間か実験のために生活できるといういまどき珍しい女医さんで、こちらでも黙々と仕事をしていました。
ただ夜などはみんなで食事に行ってわいわいやりましたが・・。
こういう他流試合ではないけど他のラボで実際に実験して過ごすというのは非常に有意義なものだと思っています。今後もっと大学間の垣根が低くなってお互いが高め合う世界になればといいですね。
僕もこれまでいろいろなラボに助けられてきましたので、これから自分が少しずつ恩返ししていくことができればと感じます。
彼女の仕事がうまくまとまることを願っています。

2008年10月19日 (日)

北九州という土地と今週末


松本清張、佐木隆三、藤原新也、松尾スズキ、平野啓一郎など僕の好きな作家は北九州にゆかりのある人が多い。北九州という地は、労働者の町で、やくざも多いし、でも人情味に厚い。基本的にどろどろしていて犯罪のにおいもぷんぷんする。近所のやくざの組長がバッティングセンターで撃ち殺されたり、僕のつりをしていた池ではバラバラ死体が放り込まれていた。言うなれば、昭和が盛り込まれた町だったわけで、そういうdeepな感じは今でもまだ残っている。だから鍛治町あたりをぶらぶらすると、なんだか東南アジアの町を歩いているような不思議な感覚に襲われることがある。青山真治監督の北九州三部作は是非ともみんなに見てもらいたい。
今でも月に2回ずつ産業医大に行って研究のdiscussionをしてますが、これは自分にとっても原点回帰的なものがあって大切なものです。

という感じで、北九州という町は人間くささを体験するには良いところなのではないかと思う。研究にいいのかどうかはわからず、そもそも有名な研究者は誰がいるのか知りませんが、循環器の延吉正清先生、東大の高久文麿先生は、小倉の人らしいです。

ちなみに今週末は科研費の申請書の出来具合が気にくわなくて、ずっと書き直したりしていました。おしりに褥瘡ができそうなくらいだし、肩もこってしんどい・・・。ちょっと銭湯にいかねば。

2008年10月17日 (金)

勝負師の面


スポーツなどさまざまな分野において、勝負はつきものだけど、勝っても負けてもおかしくない時は精神力が必ずものをいうわけで、そういう雰囲気というか、オーラというか、勝負師の面みたいなものは絶対にあると思います。
これは、日本人には著しくかけているもので、残念ながら、今の自分も含めてですが、非常にもの足りません。
昨晩、夜中に帰ってきたら日本オープンゴルフのダイジェストをやっていて、特に今回は古賀カントリーというかつて僕も一度やったことがあるところですが、ここはフェアウェイが狭く、しかもグリーンが砲台の拘束グリーンで本当に難しいコースです。石川遼という選手はそれなりに華はありますが、その勝負師の雰囲気は全く感じられないと最初彼を見たときに感じてました。まあ、中年のおやじが高校生をつかまえてとやかく言うのもなんですが。
ところが、昨日のプレー後のインタビューを見たら、知らない間に顔が結構引き締まっていて、なかなか見応えのある青年に変わっていました。ちょっと成長が楽しみです
一方、自分自身は、まだまだ甘いですね。
今日は、東大のNさん、慶應のY先生、理研のK先生などにあって話をする機会がありましたが、彼らの目指すところは本当にレベルが高い・・・。
そして本当にいい顔をしていました。

2008年10月15日 (水)

新MacBookPro

今朝即決。
待った甲斐がありました。
http://www.apple.com/jp/macbookpro/features.html
macbookでも十分でしたが、モニターを15inchにしたかったので、proにしました。
楽しみ・・・。

2008年10月13日 (月)

週末 昼夜逆転気味 科研費

非常に静かな週末でした。
科研費の申請書づくりにもっぱら時間を割きましたが、落ち着いて今後の方向性を考えるいい機会になったように思います。
大体2時くらいまで仕事して、帰ってから緒形拳が出ている作品一本ずつ見たので寝るのが大体朝5時過ぎになってしまい、夜型の悪い癖が出てしまいました。
復讐するは我にあり、砂の器、鬼畜、わるいやつらを見ました。前3作品はこれまで何度見てきたことか・・・。何回見てもいいものはいい。

今週はたまってしまった依頼原稿を片付けないと。
あと、おそらく今週発表されるであろうmacの新作にも注目しています。僕のmacbookは液晶が壊れてきて、しかも力強くキーボードに手を乗っけるので、手を置く部分が割れて陥落してしまっていますから(アロンアルファで固めたので応急処置はしていますが)。そろそろ寿命と思われます。

2008年10月12日 (日)

柳田先生のブログ

10月11日のブログはいつもに増して納得しました。
http://mitsuhiro.exblog.jp/9908176/

僕にも仰ぎ見ている方が何人かいます。ここにはだれか敢えて記しませんが、その方々の背中が少なくとも今よりは遠ざからないように努力しているつもりです。
そういう方が自分にいること、そしてそのような方に巡り会えたことは非常にラッキーなのだと思います。

2008年10月11日 (土)

緒形拳の死

僕は誰になんと言われようと映画を見るなら邦画だと思っている。今村昌平、青山真治、野村芳太郎、西川美和、山田洋次、等好きな映画監督は挙げればきりがないし、原作は松本清張がずっとお気に入りだった。そして俳優は間違いなく緒方拳(ちなみに女優でずっと怖かったのは小川真由美)。
復讐するは我にあり、砂の器、鬼畜、楢山節考、魚影の群れ、女衒など彼無しには考えられない。人間の狂気、ユーモア、性、などすべてを彼は魂を込めて表現してくるのでホントに恐ろしい。それにあのもの凄い眼力。もう新しい作品を見ることはできなくなったが、作品は間違いなく永遠に生き続ける。

でもこれは映画俳優に限ったことでなく、自分の仕事でも当てはまる。

2008年10月10日 (金)

グミ・チョコレート・パイン


夜中まで仕事して、その後犬と散歩したら2時を回っていましたが、ついついツタヤで借りてしまった「グミ・チョコレート・パイン」を見たら結局寝たのは5時近く・・。
明日はちょっとしんどい1日になりそうです。
さて、このタイトルを聞いてぴんと来るのは僕と同世代の人間だけで、良くこんな視聴対象が狭い映画を作ったもんだと感心しますが、これは僕らの青春時代そのもので、ある意味忘れてはならないpureな何かを思い出させてくれます。
大槻ケンヂ、峯田和伸、くるりの岸田君、浅尾いにおとか、みんなどこかで共通の何かを感じさせるものがあり、これからもずっと彼らの作品を追い続けてしまう気がします。
それにしても久しぶりの映画鑑賞・・。
これからは緒方拳の作品をまた見直していこうかな・・と。

2008年10月 8日 (水)

素直に喜べない日本人のノーベル賞受賞

結局今回の下村さん、南部さんや、かつての利根川さんにしろ、日本人でありながら、海外を研究の拠点にされた方々ですね・・・。
iPS等のはやりものに手をつける方が、科研費などの研究費をとりやすい、といった風潮など、本質を追究しようという研究を長い目でおおらかに見守っていくという風潮がないとだめでしょう。
最近のポストは、若手にチャンスを与えるといいながら、短い期限付きで、ちょっと矛盾しているように感じます。
もちろん、全くなかった昔に比べれば随分とましですが、そういう意味ではアメリカやヨーロッパの底力にはやはりかなわない・・・・。

しかしそれをいい訳にして頑張らないのはもっといけてないので、僕はこの環境下でベストを尽くすのみですが。

ノーベル賞

研究者の端くれとして、この賞レベルの研究がいかに大変かと言うことは、年を追う毎に痛感します。ただ、様々な優れた業績の中から毎年限られたテーマしか選ばれないというのはなかなか不平等というか、運が大切なのか、そのあたりはよくわからないです。日本人でもそのクラスの研究をされている人が10人くらいはいるんだろうけど、そう考えると世界には100人以上このレベルの研究をした人が恐らくいるわけで・・・。
樹状細胞は僕の研究テーマの一つですが、この領域ではSteinman先生が先駆者ですが、彼がいかに自分と遠いところにいるか、まったく愕然とします。

柳田先生のブログにもでていましたが、理論物理学の研究なんて、生命科学者のそれに比べると、これぞ本当の研究者、という感じです。

感じることは、一回きりの人生なので、できるだけ妥協なく研究はやっていきたいということです。

2008年10月 4日 (土)

国際樹状細胞研究会


10月1-5日に神戸で行われた学会に参加しています。
日本に帰国してから3年間、こういったほんちゃんの国際学会に参加していなかったのですが、随分と世界の研究は進んでおり、少し焦りも感じました。
皮膚科の研究レベルも着実に上がっていますが、基礎医学の研究との差は歴然で、やはり人間楽なところに身をおいてしまうと非常に危険だと改めて感じました。
自分のやりたいと思っていたことも、3年前ならまだ誰もやっていませんでしたが、今となってはかなり激しい競争が始まっており、うかうかできません。

いかに臨床医であることのアドバンテージをいかしてユニークなアイデアで攻めていくことができるか、そしてそれをいかに治療に結びつけていけるかが課題です。
そういう意味では、いろいろもやもやしていたことに対して気持ちの整理がきちんとついて良かったです。

あと、こういう会に参加する限りは自分の大学だけで固まるのではなく、積極的に自分の興味と合致する人ととことん話すことも重要だと思います。基礎の人や海外の人と話ができる機会はあまりないので。
お膳立てされるのをまつだけのひとと、積極的に交流を持とうと努力する人とでは、参加して得るものがかなりちがうはず。
その点では僕自身も少し反省しています。

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